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楽天モバイルが採用の「スマホ直接衛星」5機、打ち上げ成功–「歴史的一歩」と三木谷氏

2024.09.13 17:23

小口貴宏(編集部)

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 米AST SpaceMobile(AST)は現地時間9月12日、初の商業衛星となる「BlueBird」5機の打ち上げに成功した。

 同社に創業資金を提供した楽天グループで代表取締役会長兼社長 最高執行役員を務める三木谷浩史氏は「日本で衛星から全国津々浦々あらゆるところでも携帯が直接高速接続する夢のプロジェクトが前進した。歴史的一歩だと思う」とX(旧Twitter)に投稿した。

ASTとは

 ASTは、衛星とスマートフォンの直接通信によるブロードバンドの実現を目指している。日本からは楽天グループが出資し、楽天モバイルが2026年の採用を計画している。

 同社初の商用衛星「BlueBird」は、約64平方メートルのフェーズドアレイアンテナを搭載し、これは一般的な2LDKマンションの広さに相当する。アンテナはロケットに収まらないため、折り畳んで打ち上げられ、軌道上で展開される。

 今後は米国本土で時間限定のサービスを開始し、順次衛星を追加してグローバルに拡大する。日本全域のカバーには約45機が必要とASTは試算している。

 ASTの衛星通信の特徴は、スマートフォンとの直接通信サービスでありながら、YouTubeを視聴できる程度のブロードバンド接続を実現する点だ。Space Exploration Technologies(SpaceX)の「Starlink」も2024年内にスマートフォンとの直接通信サービスを開始するが、当初はテキストメッセージの送受信限定となる。

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