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小惑星の資源採掘を目指す米アストロフォージ、2025年に第3弾探査機を打ち上げ
小惑星からの鉱物資源の採掘を目指す米AstroForge(アストロフォージ)は米国時間8月20日、探査機「Vestri」(ヴェストリ)を2025年に打ち上げると発表した。
カリフォルニア州を拠点とするAstroForge(2022年1月設立)は、地球近傍の小惑星からの金属資源の発掘を計画している。同社の目標は「資源を補充し、地球の未来を守る、費用対効果が高く持続可能な採掘ソリューションを実現する」ことだとしている。
AstroForgeは米Intuitive Machinesの月着陸ミッションの第3弾「Intuitive Machines 3(IM-3)」に同乗して、3回目のミッションを打ち上げる。Vestriは重量200kgの探査機で、金属質の地球近傍小惑星への着陸を予定している。
「このミッションが成功すれば、地球や月以外の天体に着陸する初の民間ミッションとなり、地球外資源を全人類が利用できるようにするという我々の使命が、一歩現実に近づくことになるだろう」と、AstroForgeは述べている。
同社は、投資家から追加で4000万ドル(約58億円)を調達したことも発表した。累計の調達額は5500万ドル(約81億円)になる。
IM-3は、米航空宇宙局(NASA)が観測機器などの貨物(ペイロード)の月への輸送を民間企業に有償で委託する「商業月面輸送サービス(Commercial Lunar Payload Services:CLPS)」の一環。
Intuitive MachinesのCLPS第1弾ミッション「Intuitive Machines 1(IM-1)」は2月に打ち上げられた。IM-1の月着陸船(ランダー)「Nova-C」(Odysseus)は民間企業で初めての月着陸に成功した。
第2弾ミッション「Intuitive Machines 2(IM-2)」は2024年10~12月の打ち上げが予定されている。IM-2では、日本のダイモンが開発する小型の探査車(ローバー)「YAOKI」が搭載される予定。YAOKIとランダーとの統合テストは成功している。
IM-2には、AstroForgeにとって2つめの探査機「Odin」が搭載される予定。重量が約100kgというOdinはVestriが着陸する小惑星の画像などのデータを収集することが目的。Odinの機体は、Vestriで計画しているもので構成されるという。
AstroForgeにとって第1弾のミッション「Farewell Brokkr-1」は精製技術技術を宇宙で実証することが目的。5月に打ち上げられたが、目的を果たすことができなかった。
小惑星を資源として注目している企業は、AstroForgeの他に英Asteroid Miningや日本のAstromineなど。