日本の月面探査車「YAOKI」、米着陸船との統合テストに成功--10~12月に打ち上げ予定

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日本の月面探査車「YAOKI」、米着陸船との統合テストに成功–10~12月に打ち上げ予定

2024.04.23 13:30

UchuBizスタッフ

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 月面探査車(ローバー)「YAOKI」を開発するダイモンは4月23日、YAOKIを貨物(ペイロード)として月まで輸送する米Intuitive Machinesの月着陸船(ランダー)「Nova-C」との統合テストが成功したことを発表した。YAOKIを搭載するIntuitive Machinesの月着陸ミッション「Intuitive Machines-2(IM-2)」は10~12月を予定している。

 今回の統合テストは、Intuitive Machinesのハードウェアやソフトウェアのインターフェースを通じてYAOKIを制御、データを送受信などを行う。4月4~8日に米テキサス州ヒューストンのIntuitive Machines施設で実施された。ダイモンの代表取締役である中島紳一郎氏とエンジニアチームがIntuitive Machinesを訪問し、YAOKIのフライトモデルとデプロイヤー(輸送用ケース)の各種動作を確認した。

統合テストを実施したYAOKIのフライトモデル(出典:ダイモン)
統合テストを実施したYAOKIのフライトモデル(出典:ダイモン)

 予定していた試験項目は問題なくクリアしたと説明。ダイモンはYAOKIを月に送り込む「Project YAOKI 1(PY-1)」を進めている。今回の統合テストはPY-1での重要なマイルストーンの一つを達成したことになると説明。今後は、6月頃に最終テストを実施し、その後開発が完了してからNova-Cに搭載される予定となっている。

 PY-1は、YAOKIにとって初の月面ミッション。YAOKIを月に輸送し、地球からの遠隔操作で月面を走行し、画像データを取得する技術を実証することが目的。Project YAOKIの技術パートナーによる各種要素技術の実証も含まれている。

 YAOKIはNova-Cに搭載され、Space Exploration Technologies(SpaceX)の「Falcon 9」ロケットで打ち上げられる。月の南極付近に着陸する計画。10~12月に予定されている。

Intuitive MachinesでNova-Cと記念撮影するダイモンのエンジニアチーム(出典:ダイモン)
Intuitive MachinesでNova-Cと記念撮影するダイモンのエンジニアチーム(出典:ダイモン)

 Intuitive Machinesの月着陸ミッションの第1弾「Intuitive Machines-1(IM-1)」は米国時間2月15日に打ち上げられ、Nova-C(船名は「Odysseus」)は2月22日に南極付近に降り立ち、民間企業として初めて月着陸に成功した。機体は横倒しの状態になったが、地球への撮影画像の送信にも成功した。

 Intuitive Machinesは2023年11月時点で、2024年に最大3機の月着陸ミッションを実施することを明かしていた。IM-1とIM-2、IM-3はいずれも米航空宇宙局(NASA)から月へのペイロード輸送を民間企業に委託する「商業月面輸送サービス(Commercial Lunar Payload Services:CLPS)」としてNASAとIntuitive Machinesが契約している。

統合テストの様子(出典:ダイモン/YouTube)

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ダイモンプレスリリース(PR TIMES)

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