NASA、火星サンプルリターン計画「MSR」の大幅縮小に前向き

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NASA、火星サンプルリターン計画「MSR」の大幅縮小に前向き

2024.04.19 07:30

塚本直樹

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 米航空宇宙局(NASA)は現在進めている火星からのサンプルリターン計画「Mars Sample Return(MSR)」について、予定より大幅に少ない10本のサンプルチューブの回収を検討していることを明かした。

 MSRは探査車(ローバー)「Perseverance」(パーサヴィアランス)が集めた火星の試料(サンプル)を着陸機(ランダー)に搭載した上昇機で打ち上げ、周回機(オービター)経由で地球に持ち帰る計画だ。先頃、予算の膨張したMSRの大幅見直しにNASA 長官 Bill Nelson氏が言及していた。

 Perseveranceは内部にサンプルチューブを保管しているだけでなく、2023年初頭に「Three Forks」(三角州)と呼ばれる地域に10個のサンプルチューブを残している。NASAは、MSRで持ち帰るサンプル数が30個未満になるという提案を受け入れると示唆した。

 NASAはMSRで「最低10個の科学的に価値のあるサンプルを回収したい」と説明している。サンプル回収の新たな提案を募集しており、最大150万ドル(約2億3000万円)の複数の賞を設けるとしている。

Perseveranceが火星の地表に置いたサンプルチューブ。MSRで将来回収される可能性のある岩石とレゴリスのバックアップになる(出典:NASA / JPL-CALTECH / MSSS)
Perseveranceが火星の地表に置いたサンプルチューブ。MSRで将来回収される可能性のある岩石とレゴリスのバックアップになる(出典:NASA / JPL-CALTECH / MSSS)

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