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月探査「Artemis I」にダミー人形の「Moonikin Campos」船長が乗船

2022.08.01 18:17

塚本直樹

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 米航空宇宙局(NASA)の月探査計画「Artemis」の初ミッション「Artemis I」で利用されるマネキン人形「Commander Moonikin Campos(ムーンキン・カンポス船長)」が宇宙船「Orion」へと搭載された。

 Artemisは月に宇宙飛行士を送り、月面探査を行う計画。計画では次世代大型ロケット「Space Launch System」とOrionが利用され、無人ミッションのArtemis Iは8月末以降の打ち上げが予定されている。

 Orionの内部には各種データを取得するためのMoonikin Camposだけでなく、2体の胴体模型「Helga」「Zohar」や漫画『ピーナッツ』のキャラクター「スヌーピー」の人形も搭載される。

 Moonikin Camposの名前は、有人月飛行ミッション「アポロ13号」で宇宙船のトラブルから乗員の命を救った、電気技師のArturo Campus(アルトゥーロ・キャンパス)氏にちなんだものだ。現在、Moonikin CamposはOrionの司令官の椅子へと設置されている。

 Orion Iのミッションの最中、Moonikin Camposは将来の有人クルーが飛行中に体験するであろう振動や加速度といった、重要なデータを取得する。搭載した2つの放射線センサーでは、被ばく量も計測される。最新の宇宙服である「Orion Crew Survival System」を身にまとっているのも特徴だ。

 Artemisでは2回目のミッション「Artemis II」で月の周囲を飛行し、3回目のミッション「Artemis III」で宇宙飛行士による月面着陸が予定されている。

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