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衛星軌道投入サービス提供のイタリア企業とインターステラが包括契約
2024.04.15 09:00
インターステラテクノロジズ(北海道大樹町)は4月15日、イタリアのスタートアップ企業D-Orbitとロケット打ち上げサービス提供で包括契約を締結したことを発表した。D-Orbitは、今後の成長が見込まれるアジア圏での宇宙輸送サービスの提携先としてインターステラを選んだと言える。
D-Orbitは、複数の小型衛星を搭載できる衛星軌道投入機「ION」を自社で開発、製造し、衛星を事業者が希望する軌道に正確に投入する「衛星のラストマイルデリバリーサービス」を提供。これまでに15回の軌道上ミッションを成功させ、累計で140機以上の衛星を軌道投入実績があるという。
インターステラは、民間企業が単独で国内で初めて宇宙に到達したロケット「MOMO」で獲得した知見を土台に、小型サイズの衛星を打ち上げるロケット「ZERO」を開発している。
D-Orbitとインターステラ、2社に出資している総合商社の丸紅は2022年2月に小型衛星放出システムを研究、開発する協業意向書を締結。今回の包括契約では、打ち上げサービスに加えて、将来にわたってビジネス連携を深めることも明記している。D-Orbitとインターステラが相互協力することで、より定価価格で柔軟な宇宙輸送サービスを構築していくとしている。
インターステラは、一気通貫の開発製造体制による「競争力のある価格」と、多様化する衛星のビジネスモデルにあわせて専用に打ち上げる「柔軟性」を強みにしている。国内やアジアオセアニア諸国の衛星事業者に対しては、発射場が近く、打ち上げまでの手間やコストがかからない「利便性」も魅力となっている。
インターステラは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が進める「輸送/超小型衛星ミッション拡充プログラム」(JAXA-SMall satellite ruSH:JAXA-SMASH)で開発された超小型衛星を打ち上げる民間事業者の1社として選ばれている。
台湾のロケット開発企業であるTaiwan Innovative Space(TiSPACE)の日本法人は、MOMOやZEROの射場である「北海道スペースポート(HOSPO)」で2024年内に準軌道(サブオービタル)ロケットを打ち上げる予定。
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インターステラプレスリリース