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弾丸の10倍、時速は5万km–NASA、増え続ける「宇宙ゴミ」で新戦略を発表
米航空宇宙局(NASA)は米国時間4月9日、地球を周回する宇宙ゴミ(スペースデブリ)のリスクとリスクを軽減する方法をより深く理解するための戦略を発表した。
今回の戦略は、増え続けるデブリで混雑する軌道上の問題を解決するための技術ではなく、デブリ問題の分析に重点を置いている。NASAで副長官を務めるPam Melroy氏は「国内外のステークホルダーと協力することで、共通の枠組みと視点を確立することを目指している」と述べている。
Melroy氏は戦略の2番目の目標として、宇宙の安全に影響を与える不確実要因を特定することを挙げている。「我々は既存のデブリによるリスクを管理するだけでなく、宇宙環境を感知して予測し、デブリの生成を制限する費用対効果の高い方法を特定するための、画期的な改善を模索する」
目標の一環として、NASAは軌道上のデブリ管理や宇宙状況把握(SSA)の強化、軌道上での交通調整、環境理解といった技術を他のユーザーに移転する計画を策定する。デブリの軽減と除去のサポートに関する内部ポリシーの更新にも取り組んでいるという。
デブリは秒速14.5km、つまり時速5万2200kmという弾丸の約10倍もの速度で飛んでいるため、小さな破片でも衝突すると衝撃は極めて大きい。欧州宇宙機関(ESA)によると、約10cmより大きな破片は3万6000個以上あり、もっと小さなものは数千万個に上ると言われている。きちんと追跡されているデブリもあるが、それはほんの一部と指摘されている。