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若田光一氏が米アクシオム・スペースの宇宙飛行士に–民間宇宙ステーション開発に貢献へ
2024.04.08 23:36
米Axiom Space(アクシオム・スペース)は日本時間4月8日、3月末をもってJAXAを退職した若田光一氏を、同社のアジア太平洋地域における宇宙飛行士 兼 最高技術責任者(CTO)として迎え入れたことを発表した。
若田氏は今後、アジア太平洋地域における同社のビジネスと戦略的プレゼンスの拡大をリードするとともに、世界初の民間宇宙ステーションである「アクシオム・ステーション」の発展に貢献するとしている。
同社のマイケル・ロペス=アレグリア宇宙飛行士は、「将来の民間宇宙飛行士ミッションのコマンダーとして、また技術専門家およびリーダーとして、商業宇宙開発を推進し、グローバルなパートナーシップを促進するために、彼がチームに参加してくれることを光栄に思い、興奮している。彼の素晴らしい旅路は、これからの世代にとってインスピレーションの源になると信じている」とコメントした。
若田氏は1992年に宇宙飛行士となり、32年間にわたりJAXAに在籍。日本実験棟「きぼう」の船外プラットフォーム建設に参加したほか、日本人初となる国際宇宙ステーション(ISS)の船長も任された。通算宇宙滞在時間は504日18時間35分、通算ISS滞在時間は482日15時間57分で、いずれも日本人宇宙飛行士として最長だ。
2024年3月29日に開かれた会見では、退職の理由について「今後の宇宙活動は民間が鍵になる」とコメント。ISSの運用は2030年までの予定で、その後の地球低軌道の活動は民間が担うことになっている。そのため、自身も民間セクターに移り、地球低軌道における取り組みを支えたいと語っていた。