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自律的に動く複数台が協調して月面地図を作成するロボットを試験運転–休憩して充電も
米航空宇宙局(NASA)は米国時間3月26日、小型月面探査車(ローバー)「Cooperative Autonomous Distributed Robotic Exploration(CADRE)」の試験運転を実施したと発表した。ジェット推進研究所(JPL)が開発している。
CADREの目的は、自律的に動作する複数のローバーが協力して月面の地図を作成することだ。ローバーは太陽電池パネルから電源が供給され、月面を3Dマッピングするためのカメラ、センサー、地中レーダーを搭載している(複数台が分散して自律的に動いて、月面の地形というデータを統合させていく。まるで「タチコマ」)。
2023年8月のJPLによる試験運転では、CADREが一斉に走行し、障害物があるときは走行計画を調整し、自主的に太陽電池から充電するための休憩を取ることに成功した。CADREは今後、月の昼間に遭遇するであろう強い光と影をシミュレーションするため、大型投光器の下で走行試験を実施する。
3台のCADREは、NASAの「商業月面輸送サービス(Commercial Lunar Payload Services:CLPS)」として、NASAから月面までの輸送を委託された米Intuitive Machinesの着陸船(ランダー)「Nova-C」によるミッション「Intuitive Machines 3(IM-3)」で2024年後半から2025年前半に月面に打ち上げられる。
Intuitive Machinesは先日、ミッション「Intuitive Machines 1(IM-1)」として「Odysseus」(オデュッセウス)で民間企業初の月面着陸に成功。同社は2024年内に最大3回の月面着陸ミッションを打ち上げることを公表していた。