中国、軌道投入に失敗した月探査衛星の回復試みる--米宇宙軍の追跡データで判明

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中国、軌道投入に失敗した月探査衛星の回復試みる–米宇宙軍の追跡データで判明

2024.04.01 08:00

塚本直樹

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 月周回軌道への投入が失敗したとみられている中国の月探査機「DRO-A」「DRO-B」について、回復が試みられている可能性が追跡データで示されている。海外メディアのSpaceNewsで報じられた

 DRO-AとDRO-Bは現地時間3月13日に「長征2号C」ロケットで西昌衛星発射センターから打ち上げられた。衛星は遠方逆行軌道(Distant Retrograde Orbit:DRO)への投入が予定されていたが、予定軌道に入ることはなかった

 米宇宙システム軍団(Space Systems Command:SSC)傘下の第18宇宙防衛隊(18th Space Defense Squadron:18SDS)のデータによれば、当初は地球低軌道(LEO)にあったDRO-AとDRO-Bは、その後に525km×13万2577kmの高楕円軌道に移動。さらに3月26日には、971km×22万5193kmの軌道へと引き上げられた。

 天文物理学者のJonathan McDowell氏は「追跡データによれば、衛星のミッションを回復しようとしたことを示す軌道上昇燃焼が、少なくとも1回は行われた」と述べている。中国はDRO-AとDRO-Bの最新情報をまだ提供していないが、次の軌道上昇燃焼で月に到達できる可能性がある。

(出典:CNSA)
(出典:CNSA)

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新華社
SpaceNews

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