ボーイング、バージンギャラクティックを提訴--支払いを拒否、企業秘密を流用

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ボーイング、バージンギャラクティックを提訴–支払いを拒否、企業秘密を流用

2024.03.28 08:00

塚本直樹

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 米Boeingとその子会社の米Aurora Flight Sciences(Aurora)は、米Virgin Galacticが2500万ドル以上の支払いを拒否し、新型機開発プロジェクトで企業秘密を流用したとして、同社を提訴した。海外メディアのSpaceNewsが報じた

 Virgin Galacticはスペースプレーン「VSS Unity」による準軌道(サブオービタル)飛行サービスを提供しており、VSS Unityの打ち上げでは母艦となる航空機「VMS Eve」が利用される。同社はVMS Eveにかわる2機の航空機の製造でAuroraを選定し、最初の航空機は2025年に納入される予定だ。

 米バージニア州東部地区連邦地方裁判所に3月21日に提出された訴状によれば、Virgin Galacticが母艦航空機の設計に関する支払いを停止し、不注意で提供された専有情報を保持したとして、BoeingとAuroraが提訴している。

 BoeingとAuroraは、Virgin Galacticによる2つのタスクオーダーの請求書となる2640万ドル(約40億円)が未払いだとしている。また、航空機の性能をモデル化するAuroraの技術仕様書が誤ってVirgin Galacticに渡され、その破棄を拒否しているとも主張している。

 Virgin Galacticは、Unityによるサブオービタル飛行サービスを2024年半ばまでに終了させることを明らかにしている。VSS Unityの後継機となるDelta Classの開発にリソースを集中させる。Delta Classは2025年に試験飛行する予定。

Virgin Galacticは、新世代のサブオービタルスペースプレーンのためにVMS Eveに代わる母艦の製造をAuroraに発注した(出典:Virgin Galactic)
Virgin Galacticは、新世代のサブオービタルスペースプレーンのためにVMS Eveに代わる母艦の製造をAuroraに発注した(出典:Virgin Galactic)

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SpaceNews

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