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中国、火星サンプルリターン「天問3号」で2030年目指す–着陸候補地も判明
2024.03.12 13:30
中国空間技術研究院(CAST)の研究員は現地時間3月6日、火星の試料(サンプル)を地球に持ち帰る(サンプルリターン)ミッション「天問3号」(Tianwen-3)を2030年にも打ち上げると明かした。CASTは国有企業の中国航天科技集団(CASC)の研究機関。
天問3号は、2機の「長征5号」(Long March 5:LM-5、Chang Zheng 5:CZ-5)ロケットで着陸船(ランダー)や上昇ロケット、軌道船(オービター)と帰還船を送り込む計画だ。計画では500gのサンプルを採取し、小型ヘリコプターや6本脚のロボットの使用も示唆されている。
中国中央電視台(CCTV)の報道によれば、天問3号のミッションは「比較的順調に」進んでいるとしている。学術誌『JGR Planets』に掲載された論文によれば、天問3号は『Amazonis Planitia(アマゾニス平原)』、『Utopia Planitia(ユートピア平原)』、『Chryse Planitia(クリュセ平原)』への着陸を検討しているという。
論文では火星の大気の渦、つまり空気、塵、水の円運動を評価。天問3号の着陸と上昇を安全に進めるためには、大気の渦が頻繁に発生しないクリュセ平原が最適だと指摘している。