送電線の点検に衛星ネット対応ドローンを活用--目視外で飛行、通信経路を二重化

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送電線の点検に衛星ネット対応ドローンを活用–目視外で飛行、通信経路を二重化

2024.03.07 16:12

佐藤信彦

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 衛星インターネットを提供するViasatは、カナダARA Roboticsのドローンに英Gotonomiが開発した衛星通信システムを搭載し、目視外飛行させて送電線の点検作業が可能なことを実証した。

 高いところに敷設された送電線を点検するには、ドローンのような無人飛行機(Unmanned Aerial Vehicle:UAV)が役立つ。ドローンに衛星通信機能を持たせれば、通信の安定性を高められ、より離れた地点からでも操作可能になる。

 ARA Roboticsは、同社のドローン「ARA-405」にGotonomiの通信モジュール「Velaris SATCOM」を搭載し、Viasatの衛星インターネットと接続できるようにした。ドローンは「ISMバンド」での無線通信にも対応し、コマンド制御や映像送信に必要な通信経路を二重化している。

衛星通信の併用で通信経路を二重化し、目視外飛行を安全に(出典:Viasat)
衛星通信の併用で通信経路を二重化し、目視外飛行を安全に(出典:Viasat)

 このドローンを目視外飛行させて遠距離から操作したところ、衛星通信とISM通信が何度も自動的に切り替わった。つまり、ISMバンドで通信できない環境でも、衛星通信を利用することでUAVの目視外飛行が可能と確認できた。

 ISM(Industrial, Scientific and Medical)バンドは、通信以外の工業や科学、医療の目的に使用するために国際電気通信連合(ITU)で国際的に保護されている周波数帯。

実証に活用されたARA-405(出典:Viasat)
実証に活用されたARA-405(出典:Viasat)

関連情報
Viasatプレスリリース


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