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高校生が開発した超小型衛星「Clark sat-1」、通信確立し軌道上で運用開始
2024.03.07 14:09
クラーク記念国際高校(北海道深川市)は、同校の生徒主体で開発した、地球を周回している超小型衛星「Clark sat-1」(愛称「Ambitious」)の運用開始を発表した。
Clark sat-1は、10cm×10cm×10cmの「1U」サイズで重さが約1.3kgの人工衛星。Space BD(東京都中央区)と東京大学、アークエッジ・スペース(東京都江東区)の協力を得て、クラーク記念国際高校の生徒主体で2021年10月に開発を始め、2023年3月に完成した。
現在は、同校校舎「Clark Next Tokyo」(東京都板橋区)に設けた管制局で、アマチュア無線従事者免許を取得した生徒らが衛星と通信している。
Clark sat-1のミッションに設定されているマイルストーンは以下の通りで、ミニマムサクセスとフルサクセスに成功した。ただし、衛星の一部が正常に動作せず、エクストラサクセスはまだ達成できていない。
- ミニマムサクセス:国際宇宙ステーション(ISS)からの放出に成功
- フルサクセス:衛星との通信成功
- エクストラサクセス:衛星搭載カメラで地球を撮影。衛星に搭載した音声やイラストデータを衛星から受信
- エクストリームサクセス:「実現可能性は極めて低いが、生徒の意思によりチャレンジする」宇宙ゴミ(スペースデブリ)の撮影
Space Exploration Technologies(SpaceX)の無人補給機「Cargo Dragon」に積まれて「Falcon 9」ロケットで日本時間2023年11月10日に打ち上げられ、ISSに運ばれた。12月18日に日本実験棟(JEM)「きぼう」の「小型衛星放出機構(JEM Small Satellite Orbital Deployer:J-SSOD)」から周回軌道に投入された。