米連邦議会、NASA火星サンプルリターン計画の予算決定を先送り

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米連邦議会、NASA火星サンプルリターン計画の予算決定を先送り

2024.03.06 07:30

塚本直樹

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 火星の試料(サンプル)を地球に持ち帰る(サンプルリターン)計画「Mars Sample Returen(MSR)」について、米連邦議会は同計画の予算の決定を先送りしたことを、海外メディアのSpaceNewsが報じている

 MSRでは、現在火星で稼働中の探査車(ローバー)「Perseverance」で収集した火星のサンプルを着陸機と上昇機で打ち上げ、探査機で地球へと持ち帰る。MSRは以前から予算の膨張が問題視されており、NASAの監察総監室(Office of Inspector General:OIG)は是正措置計画の策定を求めていた

 議会の予算委員会は、NASAの資金を2023年のものから削減する一方で、MSRへの支出に関する決定を延期する、2024会計年度の最終的な支出法案を発表した。NASAには2023年から2%減となる248億7500万ドル(約3兆7000億円)が提供される。

 MSRについてはNASAに柔軟性を与えおり、3億~9億4930万ドル(約450億〜1400億円)を提供するように指示している。NASAがMSRの将来に関する報告書を議会に提出するまでは、MSRに携わる人員をこれ以上レイオフしないよう指示している。

火星から地球にサンプルを持ち帰る「Earth Return Orbiter」イメージ(出典:NASA/ESA/JPL-Caltech/GSFC)
火星から地球にサンプルを持ち帰る「Earth Return Orbiter」イメージ(出典:NASA/ESA/JPL-Caltech/GSFC)

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ホワイトハウス文書(PDF)
SpaceNews

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