月の南極で氷を探す探査車「VIPER」、80%以上は完成--100日走ってデータを収集

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月の南極で氷を探す探査車「VIPER」、80%以上は完成–100日走ってデータを収集

2024.03.05 07:00

塚本直樹

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 米航空宇宙局(NASA)は米国時間2月28日、月での水探査を予定している探査車(ローバー)「VIPER」の進捗を公開した。

 VIPER(Volatiles Investigating Polar Exploration Rover)は月の南極付近に着陸し、月探査計画「Artemis」のサポートにも役立つ氷、その他の資源を探索する。2024年11月の月着陸が予定されている

米テキサス州ヒューストンにあるジョンソン宇宙センターのクリーンルームで組み立てられるVIPER。VIPERはNASAにとって初の月探査ロボット(出典:NASA/Bill Stafford)
米テキサス州ヒューストンにあるジョンソン宇宙センターのクリーンルームで組み立てられるVIPER。VIPERはNASAにとって初の月探査ロボット(出典:NASA/Bill Stafford)

 NASAによれば、VIPERの計器はすべて設置され、80%以上完成しているという。プロジェクトを率いるDan Andrews氏は、「これは大きな成果だ。ローバーの完成を心待ちにしているVIPERチームによる、大きな進捗を示している」と述べている。

 VIPERは100日かけて月の南極地域を走行し、氷が最も多く存在すると考えられる場所のデータを収集する。探査機には1mのドリルが搭載され、さまざまな深さで月の土壌を調査する。

 VIPERは、NASAが月に探査機などの貨物(ペイロード)の輸送を民間企業に委託する「商業月面輸送サービス(Commercial Lunar Payload Services:CLPS)」の一環で米Astrobotic Technologyが運ぶ。Astroboticは月着陸機「Griffin」にVIPERを搭載予定。Griffinは米Space Exploration Technologies(SpaceX)の巨大ロケット「Falcon Heavy」で打ち上げる予定

VIPERのイメージ図(出典:NASA/Daniel Rutter)
VIPERのイメージ図(出典:NASA/Daniel Rutter)

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