Synspective、国交省SBIR事業に採択--SAR衛星データなどで道路管理を効率化狙う

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Synspective、国交省SBIR事業に採択–SAR衛星データなどで道路管理の効率化狙う

2024.03.01 07:00

飯塚直

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 小型の合成開口レーダー(SAR)衛星を開発、運用するSynspective(東京都江東区)は2月29日、国土交通省の「中小企業イノベーション創出推進事業(SBIR)」の公募テーマ「次世代機器等を活用した道路管理の監視・観測の高度化に資する技術開発」に補助対象事業として採択されたと発表した。交付上限額は3.5億円。事業期間は2028年3月まで。

 採択されたのは、ダイナミックマッププラットフォーム(東京都渋谷区)を代表スタートアップとするコンソーシアムで提案した「HDマップを活用した小型SARデータ位置情報の高精度化による道路管理の効率化」。

HDマップイメージ図(出典:Synspective)
HDマップイメージ図(出典:Synspective)

 プロジェクトでは、天候や時間に関係なく対応できる小型SAR衛星での観測と地盤変動監視で活用されているシステムと、精度の高い“センチメートル”級で位置情報を表示できるという3次元データである自動運転用の高精細(HD)マップを連携させて、道路インフラ管理への適用を検討する。

 HDマップの活用でSARデータを位置情報の高精度化を実現させて、道路インフラの監視や保全に貢献するデータセットを開発していくという。位置情報を高精度化させたSARデータを軸に道路維持管理向けデータ連携システムとビューワーを構築して、災害状況の可視化や他システムとAPI連携でデータ提供など道路インフラ管理の更なる高度化を目指すとしている。

Synspectiveの地盤変動モニタリング(LDM)のイメージ図(出典:Synspective)

 SBIR(Small/Staurtup Business Innovation Research)制度は、スタートアップ企業などの研究開発と成果の事業化を支援して、イノベーション創出を促進することが目的の制度。今回は、社会実装につなげるための大規模実証(フェーズ3)のもの。

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Synspectiveプレスリリース

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