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Synspective、SAR衛星で鉱山の廃棄物貯蔵施設を監視–英企業の地上センサーと連携

2023.01.18 16:30

佐藤信彦

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 小型の合成開口レーダー(SAR)衛星の開発や運用、活用ソリューションなどを手がけるSynspective(東京都江東区)は、環境やインフラ分野のリスクを管理するプラットフォームを運営する英企業Insight Terraと提携し、鉱山などに設けられる「尾鉱」貯蔵施設の監視ソリューションを提供すると発表した。

 尾鉱とは、岩石から有用な金属や鉱物を採取した後に排出される、価値のない廃石片。単純に廃棄すると環境汚染を起こすおそれがあるため、鉱山などでは尾鉱ダムとして集めて管理する。Insight Terraは、こうした尾鉱ダムの管理サービス「Tailings Insight」を提供している。

 Synspectiveは、自社開発の小型SAR衛星「StriX」を用い、さまざまな地上観測サービスを提供する企業。2020年代後半に、30機体制の衛星コンステレーションとデータ解析プラットフォームを構築する計画。2022年9月に3機目「StriX-1」を打ち上げて軌道投入し、画像取得に成功した。

 両社は、SynspectiveのSAR衛星から得たデータと、Insight Terraが設置した地上センサーのデータを組み合わせ、尾鉱ダムを監視する。これにより、地盤の動きと地形の変化を捉え、尾鉱施設や鉱山残壁、貯水ダムなどの潜在的なリスクを把握し、必要に応じて顧客に警告できるという。

3機目のSAR衛星が打ち上げ成功(出典:Synspective/YouTube)



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