月周回有人拠点「ゲートウェイ」、居住棟プロジェクトのミッションマークが決定

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月周回有人拠点「ゲートウェイ」、居住棟プロジェクトのミッションマーク決定

2024.02.19 14:43

UchuBizスタッフ

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 「Artemis」計画の一環である月周回有人拠点「Gateway」で日本は居住棟プロジェクトチームを担当しているが、そのミッションマークが決定した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の有人宇宙技術部門が2月19日に発表した。

 日本の居住棟プロジェクトチームは、船内で宇宙飛行士が生活できる環境を整える環境制御・生命維持機能をはじめ、Gatewayの目となるカメラ、心臓となる冷却水を循環するポンプ、活力源である電力を蓄えるバッテリーなどを開発、提供する。

居住棟プロジェクトチームのミッションマーク(出典:JAXA)
居住棟プロジェクトチームのミッションマーク(出典:JAXA)

 発表されたミッションマークは「月周回、そしてその先の火星探査へつなげる」という強い志を地球や月、火星をモチーフに表現したと説明。「GATEWAY」の文字はAを漢字の「門(ゲート)」の形に配し、月への入り口に見立てているという。

 Artemis計画の有人宇宙船「Orion」にちなんでオリオン座をそばに描いている。合計10個の星は「十人十色」より多様性あふれるチームをイメージしているという。枠の緑色は生命、赤色は日本を代表するプライドを表したとしている。

 上部の「BREATHE LIFE INTO THE LUNAR FRONTIER」の文字には、プロジェクトチームが取り組むシステムで「月探査の最前線に新たな息吹を起こす」、「新たなフロンティアで人間が深呼吸できる空間をもたらす」、そして「月への進出成功に感動で息をのむ」という意味を込めたと解説している。

 ミッションマークは、2023年11月に企画されたJAXAの筑波宇宙センターの特別公開で投票で決められた。

特別公開での投票の様子(出典:JAXA)
特別公開での投票の様子(出典:JAXA)

 2025年以降に建造開始を目指しているGatewayは、月と火星に向けた中継基地であり、米国の提案のもとに開発が進められていて、日本は居住機能や物資補給での貢献を予定している。

 質量が現在の国際宇宙ステーション(ISS)の6~7分の1というGatewayは、将来的に4人の宇宙飛行士が年間30日程度滞在することが想定されている。Gatewayは、最も近いところ(近月点)で高度約4000km、最も遠いところ(遠月点)で高度約7万5000kmで月の北極と南極を周回する月長楕円極軌道(Near Rectilinear Halo Orbit:NRHO)に乗る。

 NRHOは、軌道面が常に地球を向いていることで地球との通信を常時確保可能。地球からのNRHOへの到達エネルギーは月の低軌道までの70%程度と輸送コストが比較的小さいと考えられている。月の南極が見えている時間が長いことから、月の南極探査の通信中継としてもNRHOは都合がいい軌道とされている。

 Gatewayは、電気・推進エレメント(Power and Propulsion Element:PPE)、居住・ロジスティクス拠点(HAbitation and Logistics Outpost:HALO)、国際居住棟(International HABitation module:I-HAB)などで構成される。

Gateway構成と日本の役割(出典:JAXA Gateway利用概要説明資料)
Gateway構成と日本の役割(出典:JAXA Gateway利用概要説明資料)

 日本は、HALOへのバッテリー提供、I-HABへの環境制御・生命維持サブシステム(Environmental Control and Life Support Subsystem:ECLSS)やカメラ、冷媒循環ポンプの提供などを担当する。

 ISSへの無人の「宇宙ステーション補給機(H-II Transfer Vehicle:HTV)」(愛称「こうのとり」)で培った技術を活用した、現在開発中の「新型宇宙ステーション補給機(HTV-X)」での物資補給なども日本が担当することになっている。

居住棟プロジェクトチーム(出典:JAXA)
居住棟プロジェクトチーム(出典:JAXA)

関連リンク
JAXA有人宇宙技術部門発表

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