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Pale Blue、デブリ削減へ「水ホールスラスタ」など開発–27年までに宇宙実証、最大40億円の国の支援事業に採択

2024.02.07 10:02

小口貴宏(編集部)

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 Pale Blue(千葉県柏市)は2月7日、文部科学省の中小企業イノベーション創出推進事業(SBIR フェーズ3)に採択され、事業を開始したと発表した。最大約40億円規模で「超小型水イオンスラスタ」と「水ホールスラスタ」を開発し、2027年までの宇宙実証をめざす。

水ホールスラスタ 試験中写真(提供:Pale Blue)

 同社が採択されたのはSBIR フェーズ3事業のうち、宇宙分野の事業テーマの1つである「スペースデブリ(宇宙ゴミ)低減に必要な技術開発・実証」だ。

 宇宙ゴミの低減には同社の推進器(スラスター)技術が重要となる。軌道上に存在する宇宙ゴミの多くは、他の宇宙ゴミとの衝突等で発生する破砕物と、運用を終えた衛星で占められている。今後宇宙ゴミを低減するためには、今後打ち上げる衛星に宇宙ゴミとの衝突を回避する機能と、運用終了後に軌道を離脱する機能が不可欠となる。そこで、スラスターが必須になるというわけだ。

 Pale Blueは、水を推進剤にした電気スラスターを開発する東京大学発のスタートアップだ。従来の推進剤であるキセノンやヒドラジンのような危険性がなく、取り扱いが容易で低コストな点が特徴。ソニーの衛星「EYE」に採用されたことでも話題となった。

500kg級衛星向けホールスタスタも開発

 SBIRのフェーズ3事業では総額最大約40億円が国から交付される。支援は三段階で、段階ごとに達成目標が設定されている。今回交付決定を受けた第1段階の補助金交付上限額は約13億円となる。

 Pale Blueでは10〜100 kg程度の衛星を対象にした「超小型水イオンスラスタ」と、100〜500 kg程度の衛星を対象とした「水ホールスラスタ」をそれぞれ開発する。

 同社の共同創業者で代表取締役を務める浅川純氏は「本事業に採択していただいたことを誠に光栄に思う。超小型水イオンスラスタ及び水ホールスラスタの開発を 迅速に進め、宇宙実証までやり切ることでスピード感を持って製品を市場投入し、衛星コンステレーション事業者様に使っていただくことで宇宙ゴミの低減に貢献していく」とコメントした。

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