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【画像】日本の探査機「SLIM」が撮影した月面–JAXA公開

2024.01.25 14:39

小口貴宏(編集部)

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 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1月25日、日本初の月面着陸に挑んだ小型月着陸実証機「SLIM」の詳細を説明した。また、マルチバンド分光カメラと航法カメラで撮影した月面の写真も公開した。

 SLIMのマルチバンド分光カメラは予定していた333枚のうち257枚の低解像度モノクロ画像を撮影した。これをもとに、6つの観測対象を定めたという。

 同カメラは「月のマントル」の由来するカンラン石を観測し、地球のマントルの組成と比較。月が地球から分離して誕生したとする「ジャイアント・インパクト説」の検証をめざしている。

 SLIMは、高度50m付近で2つある推進器の1つを喪失したことが原因で、想定とは異なる姿勢で月面に着陸している。そのため、太陽光パネルが西を向いており、電力を得られていない状況にある。今回の画像はバッテリー駆動時に撮影したものだが、今後太陽が西から当たるようになれば電力を得られ、マルチバンド分光カメラによる観測を再開できる可能性がある。

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