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NASAなど、「回転デトネーション」新型エンジンを燃焼試験–大きなマイルストーンに
2024.01.23 07:30
米宇宙スタートアップVenus Aerospaceと米航空宇宙局(NASA)は米国時間1月8日、共同で新型の回転デトネーションロケットエンジン(Rotating Detonation Rocket Engine:RDRE)の燃焼試験を実施したと発表した。
デトネーションは燃料が酸化剤と混合した際にガスの膨張速度が音速以上のスピードになる現象。日本語では「爆轟」(ばくごう)。
回転デトネーションエンジン(RDRE)は、爆轟反応を利用するが、リング状の流路内で燃料と酸化剤を円運動させながら燃焼させる。従来型の爆熱によるエンジンよりも高効率なのが特徴とされている。
テキサス州ヒューストンで実施されたRDREのテストでは、4分間の高温燃焼試験を実施。これまでの同様のテストは2秒程度しか燃焼できなかったので、最長持続時間を達成した今回の試験は、大きなマイルストーンとなった。
RDREは従来のロケットエンジンよりも小型で効率的に作動するため、さまざまな極超音速機に搭載可能とされている。NASAは、RDREを月や火星の着陸船、宇宙空間でのミッションやロジスティクス、深宇宙事業などに応用できると期待している。