GNSSなど位置情報解析のLocationMind、18億円を調達--政府事業に多数採択

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GNSSなど位置情報解析のLocationMind、18億円を調達–政府事業に多数採択

2024.01.17 16:51

UchuBizスタッフ

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 米GPSや日本の準天頂衛星システム(Quasi-Zenith Satellite System:QZSS)「みちびき」などの位置情報に強みがあるLocationMind(東京都千代田区)は1月17日、エクイティ8億円とデット10億円の総額18億円の資金調達が完了したことを発表した。累計の資金調達額は35億円となった。

 今回の資金調達はシリーズBのファーストクローズ。エクイティ8億円には、シリーズAリード投資家でみやこキャピタルによる追加出資も含まれている。不動産情報サービスなどを提供する東京カンテイ(東京都品川区)と資本業務提携の覚書を2023年11月29日に締結したことも発表した。

 東京大学発ベンチャーのLocationMindは、世界最大の位置情報銀行を目指し、位置情報に関連するAI(人工知能)事業と宇宙事業を展開している。AI事業では、人や自動車、船舶、衛星画像などの様々な種類の位置情報ビックデータを取り扱い、世界規模の高度な分析を提供しているという。宇宙事業では測位衛星システム(Global Navigation Satellite System:GNSS)を活用した次世代のGNSSセキュリティサービスを提供している。

 位置情報ビッグデータはヒトやモノの流れについて高度な洞察を得られることから国や次世代産業の基盤として必要と認識されている。しかし、処理技術や事業化能力、プライバシー配慮などの必要性から流通が限定的とみられている。

 LocationMindは、このような扱いが複雑、かつ、それぞれのデータ単独では達成できないような分析能力を実現する分析モデルを人や車(商業/商用)、船舶、衛星画像などのデータを組み合わせて、多数構築してきたという。

 同社は現在、各業界の大手企業や日本の中央省庁の半分以上と取引するに至っていると解説。東南アジアや中東、アフリカ地域の10ヵ国以上でも事業実績を拡大しているという。

 今回のシリーズBの資金調達をはずみに、政府機関向けビジネスを強化するとともに、不動産や物流、環境、災害、経済安全保障といった領域でのビジネスを強化する考え。海外展開を拡大させ、地理空間生成AI商品の開発など既存事業を加速させていくとしている。

 宇宙事業では2023年に、経済産業省の衛星画像×船舶・トラックデータでの港湾物流のデジタル化促進サービスの開発・実証、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による船舶向け通信衛星コンステレーションでの海洋状況把握技術の開発・実証プロジェクトや中小企業イノベーション創出推進事業(日本版SBIR)、防衛装備庁の安全保障技術研究推進制度、最高裁判所の保釈中の被告人へのGNSS端末装着制度導入での実証検証、内閣府のみちびきを利用した実証事業、NEDOのデジタルインフラ整備事業などに採択されている。

 自動車や船舶、ドローンなどのスマートデバイスに対する次世代の測位データ受信機や安心安全な測位に基づく社会基盤構築の構想と実証を重ねており、次の世代の位置情報データが「不正ができる単なる測位」ではなく「不正がないと認証された測位」に全て置き換えられるよう活動していくという。

大型政府案件に採択され、プロジェクト総額は約42億円という(出典:LocationMind)
大型政府案件に採択され、プロジェクト総額は約42億円という(出典:LocationMind)

 調達資金は(1)既存事業での位置情報データ、展開する地域や領域の拡大、(2)宇宙事業の事業化、(3)地理空間生成AIの開発――に投下すると説明している。

 資本業務提携の覚書を交わした東京カンテイについては、国内最大級という不動産専門のデータ会社として不動産データサービスや評価査定システム、不動産鑑定評価などを提供する不動産専門家集団と説明。LocationMindのデータ分析やシミュレーション技術と東京カンテイの不動産データとの掛け算は社会を大きく変革しうると両社で確信し、日本国内での不動産価格算定や不動産情報提供の領域で今後、具体的に協業を進めていくとしている。

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LocationMindプレスリリース

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