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観測衛星「アインシュタインプローブ」、運用開始–中性子星など新X線天体の発見に期待
2024.01.11 16:30
中国の研究機関である中国科学院(CAS)は現地時間1月9日、ブラックホールや中性子星などを対象にした天文観測衛星「Einstein Probe」(アインシュタインプローブ)を打ち上げた。
Einstein ProbeはCASと欧州宇宙機関(ESA)、ドイツのマックス・プランク地球外物理学研究所(MPE)が主導するミッションで、全天を監視することで新しいX線天体を発見するために、広視野X線望遠鏡(Wide-field X-ray Telescope:WXT)とフォローアップX線望遠鏡(Follow-up X-ray Telescope:FXT)という2つの観測装置を搭載している。
中国の西昌衛星発射センターから「長征2号C」(Long March 2C:LM-2C、Chang Zheng 2C:CZ-2C)ロケットで打ち上げられたEinstein Probeは高度約600kmの軌道に到達。軌道傾斜角29度で96分ごとに地球を1周し、わずか3周で夜空のほぼ全域を観測することができるという。
運用チームは今後6カ月間、Einstein Probeの観測機器の試験と校正を進める。運用期間は少なくとも3年を予定している。ESAは声明で「X線天文学の分野で大きな進歩を遂げようとしている革新的なミッションの打ち上げ成功について、CASを祝福したい」と述べている。