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James Webb宇宙望遠鏡、最も遠方の超大質量ブラックホールを観測

2023.07.12 15:31

塚本直樹

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 米航空宇宙局(NASA)の「James Webb宇宙望遠鏡」(JWST)が、これまでで最も遠方にある活動的な超大質量ブラックホールを観測した

(出典:NASA, ESA, CSA, Steve Finkelstein (UT Austin), Micaela Bagley (UT Austin), Rebecca Larson (UT Austin). Image processing: Alyssa Pagan (STScI))

 今回観測された超大質量ブラックホールは、ビックバンからわずか5億7000万年後の銀河「CEERS 1019」から見つかった。質量は太陽の900万倍とかなり巨大だが、それでも初期宇宙でこれまでに見つかっている超大質量ブラックホールと比べるとかなり小ぶりだ。

 初期宇宙における「比較的小型」な超大質量ブラックホールの観測は、James Webbの高い観測性能によって可能になった。これは、質量が小さいブラックホールは放出する光が少ないためだが、James Webbによる観測が進めば、初期宇宙において小型なブラックホールがこれまでに考えられていたよりも多く存在することが示唆される可能性もある。

 とはいえ、ビックバンから5億7000万後という短期間で、小さいながらもここまでブラックホールが巨大化した理由は、現段階ではわかっていない。

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