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Synspective、小型SAR実証衛星「StriX-β」の画像取得に成功

2022.07.06 07:45

飯塚直

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 小型の合成開口レーダー(SAR)衛星を開発、運用するSynspective(東京都江東区)は7月5日、2機目の実証衛星「StriX-β」の画像取得に成功したと発表した。

 StriXは、従来の大型SAR衛星の約10分の1になる100kg級であり、開発と打ち上げの費用は大型SAR衛星の20分の1という小型SAR衛星。大型SAR衛星と同等に近い性能を維持したまま、小型化と軽量化による低価格化をはかることで多数機生産が可能と説明する。

 StriX-βは、3月1日にニュージーランドのマヒア半島にある発射場から米Rocket Labのロケット「Electron」で打ち上げられ、太陽同期軌道(高度561km)へ投入されていた。地球上の同じ場所を毎日同時間、同条件で撮影でき、特定の地表変化とトレンドを把握するための良質なデータをより多く取得できるという。

 その後、アジア(フィリピン・マニラ)、南アメリカ(ブラジル・ブラジリア)、ヨーロッパ(オランダ・ロッテルダム)など、世界各地の都市を撮影し、画像取得に成功した。

ブラジリアを撮影した画像(出典:Synspective)
ブラジリアを撮影した画像(出典:Synspective)

 今後は、商用試作機である「StriX-1(ストリクス・ワン)」の打ち上げを予定。2023年までに3機、2026年前後には30機のコンステレーション構築を目指す。これにより、世界のどの地域で災害が発生しても、2時間以内(6機では24時間以内)の観測が可能になるという。

 また、観測したデータを自動解析し、災害時の早期状況把握を実現するソリューションの開発も推進。コンステレーションの実現と併せて、世界の災害対応能力の飛躍的な向上を目指す。

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