土星の衛星「エンケラドス」に生命の起源の鍵となる物質を確認

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土星の衛星エンケラドスに生命の起源の鍵「シアン化合物」を確認

2023.12.28 07:00

塚本直樹

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 米航空宇宙局(NASA)の探査機「Cassini」(カッシーニ)が土星の衛星エンケラドスで生命の存在に関連する重要な成分を発見したとして、Natureに報告されている。

 Cassiniは1997年に打ち上げられた探査機で、2004年から土星の軌道から土星のほかにエンケラドスなどの衛星を観測。Cassiniは2005年3月にエンケラドスでわずかな大気の存在を確認している。エンケラドスは、内部から氷を吹き上げている(プルーム)ことも判明している(Cassiniの運用は2017年に終了)。

 今回、研究者がCassiniの観測データを分析したところ、シアン化合物の存在が確認された。シアン化合物といえば、生物にとって猛毒である青酸カリが有名だが、シアン化合物は生命の起源の鍵と考えられている。研究者はまた、地下から氷のプルームを供給している海が強力な化学エネルギー源を保持していることも突き止めている。

 今回の論文の主執筆者でハーバード大学の学生であるJonah Peter氏は「我々の研究は、エンケラドスが生命の構成要素を作り出し、代謝反応によって生命を維持するために、最も重要な分子のいくつかを提供している証拠となる」と述べている。

土星の第2衛星であるエンケラドスの表面で確認されている間欠泉(出典:NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute)
土星の第2衛星であるエンケラドスの表面で確認されている間欠泉(出典:NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute)

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