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宇宙人を探す「SETI」、これまで使っていなかった低周波数帯を活用へ

2023.12.14 07:30

塚本直樹

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 宇宙人を探す「地球外知的生命体探査」(Search for Extra Terrestrial Intelligence:SETI)プロジェクトはこれまでになかった周波数帯で、宇宙人からのメッセージを探そうとしている。

 SETIは「Technosignature(テクノシグネチャー)」とよばれる珍しい信号を探すことで、高度に文明を発展させた地球外知的生命体を探している。これまでのテクノシグネチャーでは、地上の航空管制や海上緊急放送、FMラジオ局などでも用いられる、600MHzを超える電波帯域のみを対象としており、それより低い周波数帯では事実上調査されていなかった。

 低周波電波干渉計(LOw Frequency ARray:LOFAR)と呼ばれる電波望遠鏡ネットワークは10〜250MHzの低周波を活用、世界で最も感度が高い電波望遠鏡とされている。オランダ電波天文学研究所(ASTRON)が運用するLOFARは現在、52台で構成され、今後さらに増える予定だ。これらの電波望遠鏡がSETIの探査に活用される。

 遠方からのテクノシグネチャーの観測には、信号の干渉という問題がある。これを軽減するために「Coincidence Rejection(コインシデンス・リジェクション)」という方法が用いられる。

(出典: ESA/NASA)
(出典: ESA/NASA)

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The Astronomical Journal
Space.com

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