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北大発スタートアップLetara、廃校校舎を開発拠点に–1年間は無料で借り受け
2023.12.08 15:18
人工衛星の推進系(エンジン)の燃料にプラスチックを活用するスタートアップのLetara(札幌市北区)は、開発拠点を構築する契約を北海道滝川市と12月1日に締結した。12月8日に発表した。
今回の契約では、滝川市の旧江部乙(えべおつ)中学校(2021年度末に閉校、江陵中学校と統合)の校舎などを新たな研究開発の拠点として利用することで合意した。
Letaraは、推進系の燃焼実験場や試作機の開発拠点となる場所を探していたという。滝川市は、2022年3月に閉校した旧江部乙中学校の校舎や土地を活用できる事業者を募集しており、Letaraが現地を視察して、施設の利用方法を提案し、今回の契約締結となった。
Letaraによると日本全国で廃校が増加。毎年450校ほどが廃校し、文部科学省が「みんなの廃校プロジェクト」を立ち上げるほどの社会問題になっているという。
そこでLetaraは、廃校の有効活用を通して北海道の力になるため、既存の強固な建築物を再利用して会社を発展させるという低コストかつ環境にも配慮した方法として、旧江部乙中学校の校舎などを新たな研究開発の拠点として決定した。
グランドや体育館などを活用し、地域住民へ向けた教育用ロケットの公開講座や燃焼実験の見学会も想定する。環境整備などのため、今後1年間は無償で借り受け、その後土地と建物を購入する予定。
Letaraは、爆発する危険性が低い安全な燃料を使っているが、地域住民や環境、従業員の安全を第一にさまざまな計画を推進していくという。
同社は2020年6月に設立された北海道大学発スタートアップ。北海道大学で20年以上にわたって研究されてきた技術を応用し、プラスチックを燃料にした高推力、安全、安価な人工衛星用推進系を開発している。
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Letaraプレスリリース