北大発ベンチャーのLetara、NEDO支援事業に採択--プラスチックが燃料の衛星エンジンを開発

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北大ベンチャーLetara、NEDO支援事業に採択–プラスチックが燃料の衛星推進器を開発

2023.09.15 07:00

飯塚直

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 Letara(札幌市北区)は9月14日、プラスチックを燃料にした人工衛星用推進系(エンジン)の開発が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「ディープテック・スタートアップ支援事業」に採択されたと発表した。約2億4000万円の助成を受けるという。

 今回の助成金を活用し、小型人工衛星、特に手のひらサイズの超小型人工衛星向けハイブリッド化学推進の開発を進めるという。2025年以降の製品化、販売開始を目的としており、人類の活動領域の劇的な拡大を実現できるよう開発を加速させる方針だとしている。

 ディープテック・スタートアップ支援事業は、経済産業省が策定した基本方針に基づいて、NEDOが2023~2027年度に、革新的な技術を持ち、リスクは高いが、国際社会が抱える多様で困難な社会的課題を解決する潜在能力を秘めた民間企業を支援するという事業。

 同支援事業は、日本政府が2022年11月に策定した「スタートアップ5か年計画」で掲げられた目標に対して、スタートアップの中でも、長期の研究開発や大規模な資金が必要なディープテック・スタートアップを支援することで事業成長や革新的な技術の確立、事業化、社会実装を加速させることを目的としている。

 Letaraによると、人工衛星の小型化が進み、小型人工衛星の打ち上げ機数は直近10年間で80倍以上に増加、年間で約2000機が打ち上げられているという。今後10年以内はさらに増加し、年間で約5000機が打ち上げられる見通しとなっている。

 小型化によるコストダウンに見合う高推力、安全、安価な人工衛星用推進系はなく、宇宙の利活用の幅を拡大する上で課題になっていると説明する。

 Letaraは2020年6月に設立された北海道大学発スタートアップ。北海道大学で20年以上にわたって研究されてきた技術を応用し、プラスチックを燃料にした高推力、安全、安価な人工衛星用推進系を開発している。

(出典:Letara)

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Letaraプレスリリース

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