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ソニー、クラファンで「人工衛星を操作して撮影できる権利」–1万5000円から
2022.06.24 13:14
ソニーは、誰でも地球周回軌道の小型人工衛星で地球や宇宙を気軽に撮影できるようにするため、「STAR SPHERE(スタースフィア)」というサービスを事業化しようとしている。これに先立ち、クラウドファンディングサービス「READYFOR」で人工衛星を操作して撮影できる権利などを提供しようと、支援募集キャンペーン「ソニー×宇宙|STAR SPHEREプロジェクト第1期クルー募集」を開始した。
ソニーは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)や東京大学とともに、STAR SPHEREで使用する人工衛星の打ち上げを計画中。実現すれば、誰もが自分で決めた撮影内容の写真や動画を撮れるという。
この衛星は、高度約500kmで地球を周回し、約90分で1周する。周回ごとに地表に対する位置が変わるので、撮影可能な内容も変化する。また、通常の地球観測衛星と異なり、カメラを地球でなく宇宙に向けた撮影も可能。撮影時の感度やシャッタースピード、絞りなどのパラメーターも操作できる。
今回のキャンペーンで用意されている撮影方法は、「A. 宇宙撮影体験ツアー【仮称】」と「B.プレミアム宇宙撮影体験【仮称】 特別予約券」の2種類。
前者は、撮影日や衛星軌道を選択し、あらかじめ設定されたカメラワークの範囲内で指定された約10秒間が割り当てられる。後者は、地球1周分の軌道を貸し切りにしたうえで、約10分間が割り当てられる。いずれも、映像がリアルタイム配信されるわけではない。
リターンに「A. 宇宙撮影体験ツアー【仮称】」が含まれるコースは、支援金1万5000円(別途、税込み220円のシステム利用料が必要)以上のもの。「B.プレミアム宇宙撮影体験【仮称】 特別予約券」は、支援金5万円(同じくシステム利用料が必要)以上のコース。なお、「B.プレミアム宇宙撮影体験【仮称】 特別予約券」で実際に撮影するには、別途45万円のサービス利用料も必要になる。
支援受付期間は8月23日まで。目標金額は1000万円だが、All in方式なので、目標に達しなくても支援金は請求される。また、その場合でも、ソニーは自己資金を補填するなどしてプロジェクトを実行するとしている。
今後、2022年内に人工衛星を打ち上げて試験し、2023年よりサービスを提供する予定。