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バスキュール、今年も「宇宙の初日の出」をISSから生中継–支援をクラファンで募集

2023.12.07 06:30

#バスキュール

　バスキュール（東京都港区）は12月5日、国際宇宙ステーション（ISS）に開設するKIBO宇宙放送局からライブ配信企画「THE SPACE SUNRISE LIVE 2024」を大晦日（おおみそか）の夜から年越しにかけて配信すると発表した。「宇宙の初日の出」を見ることができる。

　ISSに開設する「宇宙と地上を双方向でつなぐ世界唯一の宇宙放送局」と表現するKIBO宇宙放送局は、バスキュールが企画、運営する宇宙ライブエンターテイメントプロジェクト。地球の上空を周回するISSと地上をつなぎ、双方向でライブ配信するプロジェクトとして2020年に開始。開始から3年間で計8回実施。宇宙と人々との新しい関係づくりに挑んでいるという。

　今回のテーマは「みんな青い星の子」。特別サイトで2023年12月31日午後11時30分から2024年1月1日午前2時まで配信する予定。

　今回のSPACE SUNRISE LIVEでは、10月に開業した虎ノ門ヒルズステーションタワー（東京都港区）46階にあるTOKYO NODE HALLを地上のスタジオ会場とする、初めての公開ライブイベントも開催。虎ノ門ヒルズステーションタワー8階の「TOKYO NODE VOLUMETRIC VIDEO STUDIO」とISSからのライブ映像をリアルタイムに連携させ、世界初の「宇宙のボリュメトリックライブ」に挑戦する。

　ボリュメトリックとは、撮影画像から3D空間データを再構成する技術。複数のカメラで撮影された映像をつないで切り替えるのではなく、3D空間データを生成することが特徴とされる。空間内の自由な位置、角度からの映像コンテンツを生成でき、3D空間データを変換することで2Dの自由視点映像、3D空間データを活用した、仮想現実や拡張現実（VR/AR）のコンテンツなどさまざまな形で出力できるという。

　SPACE SUNRISE LIVE 2024は、声優の木村昴氏がメインクルー（MC）を担当。制作などの費用の支援をクラウドファンディング「うぶごえ」で募集開始した。応募した人は、KIBO宇宙放送局をサポートする「KIBOクルー」になる。

　クラウドファンディングの目標金額は202万4000円。実施期間は2023年12月5日午後6時から2024年1月31日午後11時59分まで。All-in方式を採用し、目標金額に満たない場合でもプロジェクトは実行される。

木村昴氏によるKIBOクルー募集メッセージ（出典：バスキュール／YouTube）

　うぶごえにある解説によれば、「宇宙は地上に比べてお金がかかるので、資金面の課題が常に存在」という。「ISSに滞在する宇宙飛行士に撮影を手伝ってもらうと、それだけでJAXA（宇宙航空研究開発機構）やNASA（米航空宇宙局）のスタッフ数十人が動くことになり、莫大なコストがかかる」。加えて「番組制作やPRに必要な費用を考慮すると、私たちは大きな分岐点に立たされている」と話している。

　「でも、私たちが始めたこのプロジェクトは、世界中の多くの人に希望を与えることができるはずだと信じています。新年を宇宙から祝い、世界が宇宙でつながることの素晴らしさを、みなさんと共有したいのです」

　こうした背景から「従来のスポンサー企業の協賛金に頼るカタチではなく、一般の方々ひとりひとりの力が積み重なって成立するカタチに変えていくことこそ、宇宙を舞台にしたイベントにふさわしいと考えました」とクラウドファンディングに至ったことを解説している。

　クラウドファンディングの返礼品には、ミッションパッチをあしらったオリジナルのクルーステッカーやクルーTシャツのほか、番組のエンドロールへの名前の記載、宇宙に設置されたディスプレイを通じてメッセージを送る権利などを用意した。