Astrobotic月着陸船の打ち上げ迫る--米ULA、新型ロケットを組み立て

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Astrobotic月着陸船の打ち上げ迫る–ULA、新型ロケットを組み立て

2023.11.29 07:00

塚本直樹

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 米United Launch Alliance(ULA)は米国時間11月20日、新型ロケット「Vulcan Centaur」の組み立ての様子を公開した。

 Vulcan Centaurは「Atras V」「Delta IV」といった、ULAのロケットの後継モデルに相当する。12月24日に予定されている初回ミッション「Certification-1(Cert-1)」では、Astrobotic Technologyの月着陸船「Peregrine」を搭載している。

 Cert-1はフロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地から打ち上げられる。11月19日にはロケット上段とブースターの結合が完了し、初飛行に向けた準備が整った。

 12月24~26日に打ち上げられれば、Peregrineは1月25日に月に着陸する予定。Peregrineは、米航空宇宙局(NASA)が観測機器などの貨物(ペイロード)の月への輸送を民間企業に有償で委託する「商業月面輸送サービス(Commercial Lunar Payload Services:CLPS)」のペイロードを搭載する。

 Cert-1では、ULA 最高経営責任者(CEO)であるTory Bruno氏夫妻、そして人気SFドラマ「Star Trek」の出演俳優のDNAサンプルも打ち上げられることになる。それだけでなく、George WashingtonやDwight D. Eisenhower、John F. Kennedy、Ronald Reaganといった4人のアメリカ大統領の遺骨も宇宙へと旅立つ。

 CLPSとしては、2024年1月12日以降に米Intuitive Machinesによる月面着陸ミッション「Intuitive Machines-1(IM-1)」の打ち上げが予定されている。12月24日に打ち上げ予定のPeregrineは、月への直進性が低い軌道を取るため、IM-1が先に月に到達する可能性がある。

(出典:United Launch Alliance)
(出典:United Launch Alliance)

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