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「Starship」での月着陸、20回近い打ち上げが必要–NASA指摘
2023.11.21 07:00
米航空宇宙局(NASA)の関係者が米時間11月17日、月着陸ミッションまでにSpace Exploration Technologies(SpaceX)の「Starship」の打ち上げが20回近く必要だと発言したと、海外メディアのSpaceNewsが報じている。
NASAは、月探査計画「Artemis」の3回目のミッション「Artemis III」で宇宙飛行士による有人での月面探査を予定しており、Starshipは月への着陸船として利用される。SpaceXはStarshipの打ち上げ試験を実施しており、先日のミッションでは宇宙空間に到達した後に機体が爆発した。
NASAは、火星の有人探査を支援する組織「Moon to Mars Program Office」を4月に設立。Moon to Marsは、Artemis計画で得られた知見を活用し、火星への有人ミッションに利用しようとしている。
NASA諮問委員会に登壇した、Moon to Marsの副管理官補佐であるLakiesha Hawkins氏は、Artemis IIIでStarshipを使用するためには、テキサス州の現在の射場とフロリダ州のケネディ宇宙センターに建設中の射場の両方から、Starshipを打ち上げる必要があると発言した。
SpaceXの有人着陸システム(Human Landing System:HLS)では、まず推進剤デポを打ち上げ、その後にメタンと液体酸素をデポに移すためのタンカー版のStarshipを複数回打ち上げる。最後に着陸船のStarshipが推進剤デポに合体し、月に行く前に燃料を充填する予定だ。