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SpaceXの「Starship」2度目の打ち上げ–第1段分離成功、第2段は宇宙空間で爆破【画像】

2023.11.18 23:07

小口貴宏(編集部)

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 Space Exploration Technologies(SpaceX)は、日本時間11月18日夜、超大型ロケット「Starship」の2回目の打ち上げ試験を実施した。

 第1段エンジン点火後、Starshipは順調に上昇した。前回と異なり、33基すべてのRaptorエンジンが作動しているように見えたほか、前回は失敗した第1段エンジンの分離にも成功した。しかし、分離直後に第1段は予定外の爆発を起こし、地上への帰還は実現しなかった。

 第1段分離後、Starshipの2段目は順調に飛行を続け、テレメトリー上は高度148km、時速2万4000kmに達したが、その後信号が途絶えた。Space.comの報道によれば、「予定外の急速な分解」で自動飛行停止システムが作動し、爆破となった模様だ。

 計画では90分間のフライトの末、ハワイ沖に着水する予定だった。

第1段エンジン点火
打ち上がるStarship
順調に飛行
第1段を分離、第2段エンジンを点火
分離直後に第1段が想定外の爆発。第2段はその後も順調に飛行
打ち上げから8分後に第2段からの信号が途切れた。また、ライブ中継に爆発のようなものが映った。後に自動フライト停止システムによる爆破と判明

Starshipとは

 Starshipは、月や火星への有人探査を想定して開発された人類史上最大のロケットだ。第1段ブースターのSuper Heavyと組み合わせた全長は120mに達する。

 100人の飛行士を一度に打ち上げることを想定しているほか、軌道上で燃料を満載した別のStarshipと合体して遠距離飛行することも可能。さらに、Starshipを単一の宇宙ステーションとして運用する構想もある。また、第1段、第2段ともに再利用可能な設計で、地球や月面、火星への垂直着陸能力を持つ。

 このほか、地球上の2拠点間を弾道飛行で結ぶ「ポイント・トゥ・ポイント」飛行の用途も想定しており、実現すれば東京〜ニューヨーク間が40分ほどで結ばれる。

 

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