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月に衝突したロケット、中国製と判明–中国当局「地球の大気圏で燃え尽きた」
2023.11.17 17:00
2022年3月に月の裏側に衝突した物体は、中国が2014年に打ち上げたロケットであることを米アリゾナ州立大学を中心とするグループが調査、論文が「The Planetary Science Journal」に米国時間11月16日に掲載された。
中国は2014年に「長征3号C」(Long March 3C:LM-3C)ロケットで「嫦娥5号T1」(Chang’e 5-T1)ミッションを打ち上げた。嫦娥5号T1は「ラグランジュポイント2(L2)」経由で月周回軌道へと投入され、将来の月面探査ミッション「嫦娥5号」に向けて画像を撮影。その後、帰還用カプセルが地球へと着陸した。
2022年3月の衝突では、ロケット本体が月の裏側に衝突し、幅29mの2重のクレーターを形成。「WE0913A」と名付けられたこのインパクターは、当初は2015年2月打ち上げられたSpace Exploration Technologies(SpaceX)の「Falcon 9」ロケットの上段によるものである可能性も指摘されていた。
中国当局は嫦娥5号T1の打ち上げ直後に、長征3号Cの上段が地球の大気圏で燃え尽きたと発表していた。しかし、米宇宙コマンドは2022年に「(長征3号C)の物体は大気圏に再突入していない」と発表していた。