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大西卓哉JAXA宇宙飛行士、2025年にISS長期滞在–2016年以来2度目
2023.11.15 12:05
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は11月14日、大西卓哉宇宙飛行士の国際宇宙ステーション(ISS)への長期滞在が決定したと発表した。滞在時期は2025年頃を予定。長期滞在クルーとして、日本実験棟(JEM)「きぼう」を含むISSの各施設の維持や保全、科学実験など利用ミッションを担う。
大西氏は2016年に自身初となる宇宙飛行を経験。ISSには2016年7~10月に第48次/第49次の長期滞在クルーとして約113日間滞在。フライトエンジニアとして、補給船「Cygnus」6号機(ミッション「OA-5」)のロボットアームによる把持(キャプチャ)や船外活動(ExtraVehicular Activity:EVA)支援でのロボティクス運用も担った。
「きぼう」での実験をはじめとした「日本にしかできないミッション」を遂行したと説明。日本がISS計画の根幹を支えるパートナーとして、欠かせない存在であることを世界に示してきたという。帰還後は、宇宙飛行士の能力や技量維持に加えて、2020年からはJAXAフライトディレクタとして「きぼう」の運用管制業務に従事している。
宇宙飛行士としての軌道上での経験とISSの円滑な運用を地上で支える側として培ってきた経験を備えるのが強みだとしており、今回の長期滞在でリーダーシップやチームワークを発揮してくれるものと期待しているという。
JAXAは、日本政府と国際パートナーの2030年までのISS運用延長決定を受け、引き続き有人宇宙活動の実績を重ねるとともに、地球低軌道の利用や宇宙探査での国際協力、国際宇宙探査に向けた技術実証、民間活動拡大への連携など、新たな技術や知見の蓄積や事業拡大に取り組んでいくとしている。
大西氏の長期滞在の決定に伴い、油井亀美也氏のISS長期滞在時期が変更となった。従来は2024年頃を予定していたが、2025年頃に変更される。
大西氏は1975年東京都生まれ。1998年に東京大学 工学部 航空宇宙工学科卒業後、全日本空輸(ANA)に入社。2003年にANA運航本部に所属。2009年2月に宇宙飛行士の候補者として選抜される。2009年4月にJAXA入社、ISS搭乗宇宙飛行士候補者基礎訓練に参加。基礎訓練修了後の2011年7月にISS搭乗宇宙飛行士として認定される。
2011年7月に米フロリダ州沖にある米海洋大気庁(NOAA)の海底施設Aquariusでの米航空宇宙局(NASA)の極限環境ミッション運用(NASA Extreme Environment Mission Operations:NEEMO)訓練に参加。2013年11月にISS第48次/第49次長期滞在クルーのフライトエンジニアに任命され、2016年7~10月にISSに長期滞在した。