宇宙長期滞在のメンタルヘルスケアにVR活用--微小重力で機能するヘッドセット開発

ニュース

宇宙長期滞在のメンタルヘルスケアにVR活用–微小重力で機能するヘッドセット開発

2023.11.06 17:14

佐藤信彦

facebook X(旧Twitter) line

 HTCとXRHealth、Nord-Space Apsは、宇宙飛行士のメンタルヘルスケアに利用するための仮想現実(VR)ヘッドセットを、国際宇宙ステーション(ISS)へ送って使用してもらう。

 宇宙飛行士は任務中、友人や家族との接触が限られる狭い空間に閉じ込められ、刺激が少なくストレスの多い環境で長期にわたって生活する。そのため、メンタルヘルスの問題を引き起こす可能性があると指摘されている。こうした背景から、軌道上で活動する宇宙飛行士のメンタルヘルスを維持する目的で、VRセラピーシステムが開発された。

 通常のVRヘッドセットは、ISSの微小重力(マイクログラビティ)環境だと方向を正しく検知できない。そこで、特殊なトラッキング技術を採用するVRプラットフォームをスタンドアロン型VRヘッドセット「VIVE Focus 3」をベースに開発した。

VIVE Focus 3をベースに開発(出典:HTC NIPPON)
VIVE Focus 3をベースに開発(出典:HTC NIPPON)

 今回開発したVRヘッドセットは、Crew-7でISSに搭乗した、欧州宇宙機関(ESA)に所属するデンマークの宇宙飛行士、Andreas Mogensen氏がISS滞在中に使用する予定。

VRセラピーシステムを使用する宇宙飛行士のMogensen氏(出典:HTC NIPPON)
VRセラピーシステムを使用する宇宙飛行士のMogensen氏(出典:HTC NIPPON)

関連リンク
HTC NIPPONプレスリリース


Related Articles