NASA火星サンプルリターン計画、予算の懸念に対応へ

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NASA火星サンプルリターン計画、予算の懸念に対応へ

2023.09.29 14:29

塚本直樹

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 米航空宇宙局(NASA)は火星サンプルリターンミッション「Mars Sample Return(MSR)」の予算に対する懸念に対処すると声明で表明している。

 MSRは現在火星で稼働している探査車(ローバー)「Perseverance」が集めた岩石や堆積物、大気のサンプル(試料)を2026年以降に打ち上げる軌道周回機と着陸機で回収し、地球へと持ち帰る計画だ。予算が当初の2倍に膨らんでいることから、米上院の予算質疑では厳しい審査に直面した

 NASAは、MSRの計画と目標を審査委員会が調査した後に対応チームを結成する。9月初め、審査委員会はNASAに報告書を提出し、予算の潜在的な問題も指摘した。審査委員会の報告書には、ミッションに関する20の見解と59の提案が含まれている。

 NASAで科学管理副官を務めるNicola Fox氏は、「NASAには月から火星へと向かう強力な探査アプローチがある。火星は科学的発見と理解にとって豊かな目標の場所であり、最終的に人を火星に送るという、米国政府のArtemis計画を支援している」と述べている。

(出典:NASA/JPL-Caltech)
(出典:NASA/JPL-Caltech)

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