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国際航業、「みちびき」利用の離島マッピングサービス–内閣府の実証事業に採択

2023.09.11 10:45

佐藤信彦

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 国際航業(東京都新宿区)は、内閣府による「2023年度 みちびきを利用した実証事業」の1つとして、同社の「MADOCA-PPPによる海洋離島のマッピングサービス実証事業」が採択されたと発表した。

 「みちびき」は、日本から見上げると天頂付近を移動しているように見える準天頂衛星システム(Quasi-Zenith Satellite System:QZSS)。米GPSなどの全球測位衛星システム(GNSS)の衛星から得られるデータと、みちびきの衛星から得られるデータを組み合わせることで、高精度な測位が可能になる。

 MADOCA-PPP(MADOCA-Precise Point Positioning)は、みちびきに対応した高精度測位補強サービスだ。複数のGNSSを活用して高精度な軌道時刻を推定できるという国産ソフトウェア「MADOCA」(Multi-gnss Advanced Orbit and Clock Augmentation)で生成された補強情報でセンチメートル級で測位できるとしている。

 みちびきは現在、4機体制で運用されているが、今後7機体制、さらに11機体制への拡充が計画、検討されている。衛星の数が増えると、東南アジアの海洋国と大洋州島嶼国でも、みちびきによる高精度に測位できると説明している。

7機体制になった場合の受信状況(出典:国際航業、JAXA)
7機体制になった場合の受信状況(出典:国際航業、JAXA)

 これを受け、国際航業は、東南アジア海洋国と大洋州島嶼国(太平洋島嶼国14カ国、欧米国領などを加えた16カ国2地域)を対象とした、マッピングサービスの実証検証に取り組む。みちびきを使ったMADOCA-PPPの高精度測位補強サービスにより、通信環境に制約のある離島でも、短時間で安価な測量が可能としている。

 フィリピン政府の協力を得て、実際の離島で検証。海洋離島の測量にMADOCA-PPPを適用する際の技術ガイドライン作成、当該国などへのセミナー開催、デモンストレーションによるMADOCA-PPP技術の認知を図る。最終的に、大洋州島嶼国でのマッピング事業創出を目指す。

関連リンク
国際航業プレスリリース
内閣府発表

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