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QPS研究所、小型SAR衛星5号機をRocket Labのロケットで9月以降に打ち上げ
2023.08.18 14:52
小型の合成開口レーダー(SAR)衛星を開発、運用するQPS研究所(福岡市中央区)は、「QPS-SAR」衛星5号機の「ツクヨミ-I」をRocket Labの「Electron」ロケットで9月以降に打ち上げる。
QPS研究所は、従来のSAR衛星に比べ質量が20分の1、製造コストが100分の1という小型SAR衛星を開発する企業。現在、夜間や天候不良時でも高分解能かつ高画質に観測できるSAR画像を提供している。
今後、衛星を毎年複数機打ち上げ、2025年以降を目標に36機体制の小型SAR衛星によるコンステレーションを構築する計画。実現すれば、平均10分ごとの「準リアルタイム地上観測データサービス」の提供が可能になるという。
5号機は2023年初頭に打ち上げる予定だったが、契約していたVirgin Orbitの事業停止により実施できずにいた。新たにRocket Labと打ち上げ契約を結び、ニュージーランドの同社施設から打ち上げることになった。
5号機の打ち上げミッションは、月の神である「ツクヨミ(月読、月夜見)」という愛称にちなみ「The Moon God Awakens」とされた。同ミッションのElectronは5号機専用として打ち上げられる。
QPS研究所は現在、1号機「イザナギ」、2号機「イザナミ」、6月に打ち上げた6号機「アマテル-III」の3機を運用中。3号機と4号機は、2022年10月の「イプシロン」6号機の打ち上げ失敗で失われてしまった。
既存の3機が太陽同期軌道(SSO)で周回中なのに対し、5号機は中傾斜の傾斜軌道に投入される予定。
アマテル-IIIには、書き換え可能な半導体「Field Programmable Gate Array」(FPGA)を搭載した軌道上画像化装置が搭載され、軌道上でのSARデータの画像化に成功している。アマテル-IIIはSAR画像としてはこれまでなかった精細な解像度での撮影にも成功している。