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GPSなどに依存しない航空機追跡システム開発へ–SpireがESAから約22億円調達

2023.07.31 16:59

塚本直樹

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 Spireは7月25日、「GPS」などに依存しない航空機追跡システム「Eurialo」の開発で、欧州宇宙機関(ESA)から1600万ドル(約22億円)の資金を獲得した。

出典:DFS Deutsche Flugsicherung GmbH

 米国のGPSやロシアの「GLONASS」に代表される衛星測位システム(GNSS)は、各衛星からの信号の到着時間の違いを利用して、自身の緯度や経度、高度などの位置情報を計算する方式だ。一方、衛星からの信号は紛争などの最中に妨害されたり偽装されることがある点が課題となっていた。

 一方、Spireが新たに開発するEurialoは多点測位(MultiLATeration:MLAT)と呼ばれる方式だ。GPSとの最大の違いは、航空機が自ら発した信号を、地球低軌道(LEO)でコンステレーションを構築する複数の衛星が受信して位置を計算する点だ。つまり、信号を発するのが衛星ではなく航空機という点で「GPSとは逆の仕組み」とも言える。

 Spireによると、Eurialoを用いることで、離陸から着陸までをリアルタイムで追跡できる。また、現行のGNSSと比較して、信頼性の高い航空機監視システムを提供できるという。

 また、Eurialoを利用する場合に、航空機を改修する必要はない。Spireは3年契約にもとづき、システム設計の開発や実証機の運用を行う予定だ。また、Eurialoプロジェクトは主にドイツ宇宙機関(DLR)から資金提供を受けており、Spireは新設のドイツ子会社を通じて、ドイツのミュンヘンにオフィスを開設する予定だ。

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