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新たな「宇宙基本計画」正式決定–岸田総理のコメントは

2023.06.14 11:30

小口貴宏(編集部)

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 政府は6月13日に開催した第28回宇宙開発戦略本部において、「宇宙基本計画」の改定案、および日本初の取り組みとなる「宇宙安全保障構想」を正式決定した。同会合には内閣総理大臣を務める岸田文雄氏も出席し、日本の宇宙政策について説明した。

第28回宇宙開発戦略本部に参加した岸田文雄氏(画像:内閣府)
第28回宇宙開発戦略本部に参加した岸田文雄氏(画像:内閣府)

 岸田総理は冒頭「人類の活動領域は宇宙空間へと本格的に拡大し、人工衛星などの宇宙システムが情報通信や災害対応、安全保障を支えている。また、これらをめぐる国際競争も激しくなっている」と述べた。

 新たに決定した宇宙基本計画については「安全保障、防災減災、イノベーション、宇宙科学、探査などの民生分野、そして、これらの宇宙活動を支えるロケットなどについての将来像を示し、その実現に向けた今後10年程度の取り組みを定めた」と説明した。

 研究開発の推進については「新たに宇宙技術戦略を策定し、航空宇宙開発機構(JAXA)の研究開発力を強化するとともに、JAXAが企業や大学に資金を提供する機能を強化し、官民連携でイノベーションを加速していく」とした。

 宇宙安全保障構想については「安全保障のために、宇宙システムの利用を抜本的に拡大するとともに、宇宙空間の安全かつ安定的な利用を確保していく。そのために、民間の技術も活用し、情報収集、通信、衛星測位、宇宙領域の監視など、安全保障のための宇宙アーキテクチャを構築していく」と述べた。

 最後に「我が国の宇宙活動の自立性を維持強化し、世界をリードしていくため、高市大臣を中心として、政府一丸となって、引き続き宇宙政策を推進して欲しい」と政府に指示した。

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