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「だいち2号」で水田観測、水位データからカーボンクレジット–事業として実証
2023.07.19 16:25
二酸化炭素(CO2)削減事業やカーボンクレジット取引事業を手がけるGreen Carbon(東京都港区)は、同社の提案していた陸域観測技術衛星「だいち2号」(ALOS-2)データ活用によるカーボンクレジット創出プロジェクトが「JAXA ALOS-2事業化実証」のテーマとして選ばれたと発表した。
ALOS-2事業化実証とは、ALOS-2のアーカイブデータを用いた各種事業の成立性を実証する取り組み。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が2021年度から実施し、民間主導の衛星データ利用事業化を目指している。
Green Carbonは、水田によるCO2吸収の効果予測などを効率よく高精度で行えるようにするため、ALOS-2の合成開口レーダー(SAR)で得た観測データを使い、さまざまな実証を行う。
たとえば、ALOS-2観測データの水位モニタリングと現地の水位センサーを比較し、衛星モニタリングの有用性を検証する。衛星データが利用可能と実証されれば、水田の水を抜く「中干し(土用干し)」実施の信憑性担保が目的の現地の撮影作業を省略できるという。
Green Carbonは、宮城県の登米市と栗原市、フィリピンのブラカン州で実証作業を行う。
カーボンクレジットとは、企業が森林の保護や植林、省エネルギー機器導入などで生まれた温室効果ガスの削減効果(削減量、吸収量)をクレジット(排出権)として発行し、企業間での取引を可能にする仕組み。