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Amazonの「Kuiper」幹部が来日、何を語った?–Starlink対抗サービス24年始動
2023.07.06 17:23
Amazonの衛星インターネット「Kuiper」(カイパー)で製品管理とビジネス開発を担当するディレクターのNaveen Kachroo氏は7月6日、東京・虎ノ門で開催された宇宙ビジネスカンファレンス「SPACETIDE 2023」に登壇。「日本は極めて重要な市場」としたうえで、日本におけるローカルパートナーとの協力について積極姿勢を示した。
Kuiperは、地球低軌道(LEO)を周回する通信衛星群(コンステレーション)を活用した衛星ブロードバンドだ。
同様のサービスは、Space Exploration Technologies(SpaceX)が展開する「Starlink」が先行しているが、Kuiperは2023年内に2基のプロトタイプ衛星を打ち上げ、2024年早期に試験サービスの提供を米国と欧州で予定している。また、2026年までに全衛星(3256機)のうちの半分を、2029年までにすべての衛星を打ち上げる計画だ。
Kachroo氏によると、Kuiperはグローバルで利用できるサービスであり、家庭やスモールビジネス、企業、そして政府向けに、100Mbpsから1Gbpsのスループットを提供する。
単に通信未整備地域のユーザーが高速インターネットを利用できるだけでなく、山奥や海洋などのIoTセンサーなどに高速ブロードバンドを提供できる利点もあるという。
競合サービスと比較した強みについてKachroo氏は「価格の安さ」を挙げた。最終的な価格は地域ごとに設定するというが、受信アンテナには可動部分がなく安価だという。さらに、サービスコストについても初めから低廉に設定するとしている。
サービス開始にあたってはローカライズを重視
また、Kachroo氏が強調したのは、ローカライズの重視だ。「日本や韓国と、タイやベトナムのような国は求められるものが違う」と延べ、前述の価格を含め、日本で提供するサービスは他国とは異なる内容になることが想定されるとも付け加えた。
さらに、ローカライズにあたっては、現地の企業や政府とのパートナーシップも重視するという。「民間や政府、通信会社などは現地に対して深い理解を持っている」と述べ、ビジョンを共有できるパートナーであれば、協力に向けてぜひ議論をしたいと述べた。
なお、Starlinkは日本への展開にあたってKDDIとパートナーシップを締結。KDDIが国内唯一の「認定Starlinkインテグレーター」として、Starlinkの法人ソリューションを展開している。