ニュース

日本が宇宙先進国の一角を占めるための「3つの論点」–高市大臣がSPACETIDE 2023で挨拶

2023.07.05 11:42

小口貴宏(編集部)

facebook X(旧Twitter) line

 宇宙政策の担当大臣を務める高市早苗氏は7月4日、宇宙ビジネスカンファレンス「SPACETIDE 2023」に登壇。政府が6月13日に閣議決定した宇宙基本計画について説明した。

宇宙政策の担当大臣を務める高市早苗氏

 高市大臣は冒頭、「宇宙システムは経済や社会の基盤であり、経済安保を含む安全保障の観点からも重要」とコメント。今回閣議決定した宇宙基本計画は「日本が宇宙先進国の一角を占めて世界をリードしていく決意のもとで策定した」とも述べた。

 大臣によると、今回の宇宙基本計画には主に3つの論点が含まれるという。1つ目は「宇宙利用の将来像を示し、その実現に向けた取り組みを定める」こと。2つ目は「我が国の勝ち筋を見据え、開発を進めるべき技術を明確化するために宇宙技術戦略を新たに作成する」こと。3つ目は「宇宙航空研究開発機構(JAXA)の企業や大学への資金供給機能を強化する」ことだという。

 最後のJAXAの資金供給機能の強化については、直後のセッションに登壇したJAXA理事長の山川宏氏も言及。山川氏は「今回の宇宙基本計画では、JAXAに対して産業と安全保障への貢献が特に期待されている」としたうえで「今後法律などが整備されていく、JAXA内でも体制を強化する必要がある」と述べた。

JAXAで理事長を務める山川宏氏

 また山川氏は「JAXAの役割が拡大するにつれて多くの人材が必要になってくる。すべてのことに応えていきたいが人が足りていない。それが今の最大の課題」としたうえで、「宇宙基本計画ではそれ(人材の重要性について)を具体的に記載していただけた」と評価した。

Related Articles