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LocationMind、日本版GPS活用のCO2排出量監視支援–位置情報と信号認証を利用
2023.07.04 17:42
LocationMind(東京都千代田区)は7月3日、準天頂衛星システム(Quasi-Zenith Satellite System:QZSS)「みちびき」の高精度位置情報と信号認証技術を利用した、二酸化炭素(CO2)排出量モニタリング支援ソリューションの実証実験を開始すると発表した。
同ソリューションでは、運輸事業者のトラックに対し、みちびきの信号認証サービスを搭載した世界初という車載向けの全球測位衛星システム(Global Navigation Satellite System:GNSS)受信機を装着し、常時走行ログを取得できるシステムを構築する。
走行ログと運輸事業者の配送情報を組み合わせることで、配送ごとのCO2排出量や荷主ごとの案分を計算し、位置情報の証跡とともにアウトプットする。これにより、信号認証の結果を踏まえて、位置情報の証跡の信頼性を保証するものとなる。
今回の実験開始は、内閣府が主催する「2023年度 みちびきを利用した実証事業公募」に、みちびきの高精度位置情報と信号認証技術を利用したCO2排出量モニタリング支援ソリューションの提案が採択されたことで実施するものとなる。
“日本版GPS”とも言えるみちびきは、準天頂軌道の衛星が主体となって構成されている日本のGNSS。誤差1m以下で測位する「サブメーター級測位補強サービス」、誤差数センチで測位する「センチメーター級測位補強サービス」など、高精度かつ安定した衛星測位サービスが特徴としている。
LocationMindによると、提案の背景には物流業界での位置情報活用システム利用の伸長があるという。物流業界では、CO2排出量報告の義務化や「2024年問題」などの課題があり、解決策として位置情報活用によるデジタル化が必須となっている。
位置情報の改ざんによるリスクについては、認識があるものの対策されていない。物流業界全体の信頼性低下を防ぐ技術として、今回の提案に至ったという。
同社は今回の採択を受け、みちびきの信号認証対応受信機の開発やCO2モニタリングソリューションについて、7月に要件定義と開発を開始。2024年2月まで実証実験を行い、運送事業者や受信機メーカーとの連携を通じてビジネス化を推進していく予定となっている。