三菱総研、商業宇宙活動の基本的な行動規範「ワシントン・コンパクト」に署名

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三菱総研、商業宇宙活動の基本的な行動規範「ワシントン・コンパクト」に署名

2023.07.03 16:09

佐藤信彦

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 三菱総合研究所(MRI)は、商業宇宙活動における基本的なルール「商業宇宙活動の行動規範に関する原則(Washington Compact)」(英語表記の正式名称「The Washington Compact on Norms of Behavior for Commercial Space Operations」)に署名した。

 政府機関に加え多くの民間企業が宇宙開発に取り組むみ、宇宙空間の混雑化が進んでいる。そのほかにも、衛星攻撃兵器(Anti Satellite weapon:ASAT)など安全保障上の課題、月開発での民間活動の安全確保など、新たなリスクが急速に顕在化しつつあると指摘されている。

 国際連合での条約制定は、全会一致による合意形成が求められ、現時点での実現は難しい。そこで、各国の宇宙関係者から賛同を得られる原則が「ソフトロー」として機能するよう、オランダのシンクタンクであるThe Hague Institute for Global JusticeがWashington Compactを取りまとめた。

 Washington Compactは、民間宇宙活動の持続性確保に必要と考えられる最低限の原則を整理した。例えば、宇宙活動を行う際には国際法に従い、持続可能性を目指すこと、国籍と関係なく安全確保を支援すること、標準化や相互運用性を確保することなどを定めている。

Washington Compactの主な内容(出典:MRI)
Washington Compactの主な内容(出典:MRI)

 MRIは、その趣旨に賛同し、同原則に署名した。この原則にもとづき、国内外の産官学の宇宙分野関係者と連携し、宇宙活動の持続性確保に向けて取り組むとしている。

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