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ボーイング製宇宙船「Starliner」、安全性に問題–有人飛行が無期限延期に

2023.06.05 13:18

塚本直樹

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 Boeing(ボーイング)は米国時間6月1日、宇宙船「CST-100 Starliner」の有人飛行を無期限に延期すると発表した。

 Starlinerは4人が搭乗できる宇宙船で、2022年5月に無人での打ち上げと国際宇宙ステーション(ISS)へのドッキング、および地球への帰還ミッション「OFT-2」を実施していた。一方、米航空宇宙局(NASA)は7月21日の有人飛行(Crewed Flight Test:CFT)の実施に慎重姿勢を見せていた。

 Boeingによると、Starlinerの打ち上げ延期の背景には安全性の問題があるという。同宇宙船には3つのメインパラシュートが搭載されているが、そのうち、1つでも故障した場合、安全に着陸できなくなることが判明した。さらに、配線の保護テープのカバーを変更し、火災の危険性を低減する必要があることもわかったという。

 NASAの商業宇宙宇宙飛行士プログラムのマネージャーを務めるSteve Stich氏は、Starlinerの有人飛行が秋にも実施される可能性を指摘している。また同氏は、宇宙飛行士の打ち上げのためにSpace Exploration Technologies(SpaceX)の「Crew Dragon」に加え、Starlinerも運用したいと述べている。

(出典:NASA)

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