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NASA、火星を模した空間で長期滞在実験–地球との通信遅延も再現
2023.04.27 11:51
米航空宇宙局(NASA)は火星基地を再現した長期滞在実験「CHAPEA(Crew Health and Performance Exploration Analog)」を、2023年6月から実施する。
CHAPEAでは研究者4人が1年間、ヒューストンのジョンソン宇宙センターに設置された、3Dプリントされた住居区「Mars Dune Alpha」に滞在する。内部にはクルー専用の部屋やキッチン、リビング、ワークエリア、2個のバスルームが備え付けられている。また外部には、赤い砂を敷き詰めた火星の再現環境も用意されている。
CHAPEAに参加する研究者は居住区のメンテナンスや作物の栽培、科学研究と並行して、料理や運動、掃除などの宇宙飛行士と同じ作業を行う。また、機器の故障や地球との通信の遅延など、ストレス環境も再現される。
CHAPEAで主任研究員をつとめるGrace Douglas氏は、「このシミュレーションでは、火星での長期ミッションがクルーの健康とパフォーマンスに与える影響について、より深い洞察を得るためのデータを集めることができる」と語っている。